OKAYAMA ART TRIP with Yi Kai Huang, photographer

岡山 × アート × フォトグラファー

「瀬戸内国際芸術祭」や「岡山芸術交流」などのイベントが開催されるこの時期、アートファンに人気のトラベルスポットとなっている瀬戸内。そんな瀬戸内のアートスポット巡りの拠点となるのが、この「岡山市」。台湾で人気のアーティストユニット「男子休日委員会」のカメラマンが切り取った風景とともに、アートと文化を感じられる岡山市のおすすめスポットを紹介する。

img_yikaihuang 黃奕凱(コウ・イーカイ)

1986年生まれ。台北市内で制作会社のグラフィックデザイナーとして勤務する傍ら、プライベートではカメラマンとして活躍。独自の視点で日常の風景を描く写真が彼の持ち味となっており、それらをFlicker上などで発表し注目を集める。2012年、編集者の友達と一緒に男女3人組のアーティストユニット「男子休日委員会」を結成。2013年、同ユニットで京都市左京区を過ごした休日をまとめた書籍「左京都男子休日」を出版し、2015年には札幌を中心とした「北海道央男子休日」を出版するなど、国内外で活動の幅を広げている。撮影機材には主にアナログカメラを使用しており、今回の岡山市内の撮影もフィルムカメラで行われた。

 

吉備津神社

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季節の草花が彩る境内の階段を登りきると、間近でその大きさを体感できる本殿。この「比翼入母屋造」と言われる様式は、日本ではここでしか見ることができない貴重なもの。この神社の一つの見所となっている。

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また、約400メートルもの距離をつなぐ一直線の「廻廊」も圧巻だ。時間があればぜひ、入り口からゆっくりと歩いてみて、歴史を自分の足で感じてみたい。
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鬼の首が眠っていると言われている吉備津神社。桃から生まれた桃太郎が鬼を退治したという日本の昔話「桃太郎伝説」と、ここの主祭神である吉備津彦命が「温羅(うら)」という悪者を退治したという伝説が似ていることから、「桃太郎」とゆかりがある神社として知られている。厄を払い、願いをかなえるご利益があるといわれるこの神社では、ぜひ桃太郎の絵馬に願いをしたためてみてはいかがだろうか。
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吉備津神社

住所 〒701-1341 岡山県岡山市北区吉備津931
TEL  086-287-4111
営業時間 参拝自由。(開門時間は午前5時から午後6時まで)
定休日 なし(神社は年中無休。鳴釜神事は毎週金曜日と5月・10月の第二日曜日、12月28日は休み)
駐車場 駐車場あり
Webサイト  http://www.kibitujinja.com/

 

岡山市立オリエント美術館

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古代オリエントの神殿をイメージして建設されたという、岡山市立オリエント美術館。中の空間は自然光が重層的に降り注ぐ大きな吹き抜けが広がり、階上の水盤の心地よい水音からはどこか神秘的な雰囲気が漂う。館内は砂漠のように無機質な壁や大理石が効果的に用いられ、オリエントの国に迷い込んだかのような感覚にとらわれる。これは、日本の最高裁判所などを手がけた建築家、岡田新一によるものだそう。建物からオリエントの雰囲気を感じるのも、ここを訪れる楽しみの一つだ。

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日本で唯一の公立オリエント美術館がなぜ、岡山にあるのだろうか。その答えは、学校法人岡山学園の理事長をしていた故・安原眞二郎氏が、個人蔵の1947点ものオリエント考古美術品を岡山市へ寄付したことに由来する。

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現在は約4700点もの考古美術品を管理し、かつて人々に使われていた日用品やアクセサリーからは、時間や空間を隔てた、人間の普遍性を感じさせる。特に、旧約聖書にも言及される、アッシリアの都カルフから出土した「有翼鷲頭精霊像浮彫」はここを代表する収蔵品だ。

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岡山市立オリエント美術館

住所 〒700-0814 岡山県岡山市北区天神町9-31
TEL 086-232-3636
営業時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
定休日 毎週月曜(月曜が祝日の場合はその翌日)、年末・年始、展示替え期間
駐車場 駐車場なし。市営天神町駐車場の、割引券(1台1回につき100円)を交付。
Webサイト  http://www.orientmuseum.jp/

 

キッチンほりぐち

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県庁通りのにぎやかな一角に、隠れ家のように佇むキッチンほりぐち。木のぬくもりが感じられる、こぢんまりとした店内に入ってみると、まるで自分の家のようにほっとした気持ちでくつろぐことができる。「地域に根ざした、愛される店を目指しています」。カウンター越しにそう語ってくれたのは、コックコートが目印の店長堀口さん。お店は、親しげに会話を交わす地元のお客さんの姿であふれている。

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ごはんにお味噌汁がついて、地元の食材もたっぷりとれる「家庭の味」が、このお店が愛される理由の一つ。岡山で育ったピーチポークを使用した「生姜焼き定食」をはじめ、店長の料理研究家の奥さんが家で作っているレシピをそのままメニューにしたという「からあげ」はぜひ一度味わってみてほしい。

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ごはんのあとは、手作りの優しい味がうれしいドリンクやスイーツも。

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キッチンほりぐち

住所 〒700-0824 岡山県岡山市北区 内山下2-5-2 内山下Fマンション102号
TEL 086-206-3701
営業時間 午前11時~午後6時
定休日 毎週日曜、祝日、毎月第一月曜日
駐車場 駐車場なし
Webサイト  https://www.facebook.com/キッチンほりぐち-1436074913362782/

 

富士商店

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レトロな町並みの出石町を歩いていると、約100年前に建てられた建物をそのまま使っているという富士商店の印象的な看板が。一歩中に入ってみると、そこはまるで昔の日本にタイムスリップしたような雰囲気だ。バラエティ豊かな品物を眺めていると、まるで宝探しをしているような気持ちになってくる。「同じものをまた入荷するとは限りません」。そう店主が言うように、ここでのモノとの出会いは大切にしてみてもいいかもしれない。

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日本のロングセラー商品を中心に店員がセレクトしたという、文具、料理道具、掃除道具、着物など個性豊かなアイテムがずらりと並ぶ店内。商品は、現在量産されているものではなかなか見られないデザインもあり、それが逆に新鮮に感じられる。

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店内で扱っている小物には、手に取りやすい価格帯のものも多く用意されているので、珍しいもの好きのあの人へのおみやげや、旅の記念にいかがだろうか。購入品は、かわいらしい富士マークのついた包みに入れて手渡される。

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富士商店

住所 〒700-0812 岡山県岡山市北区出石町1-9-20
TEL 086-238-5445
営業時間 午前12時〜午後6時
定休日 毎週火曜、不定休
駐車場 駐車場なし
Webサイト http://fujishoten.blog109.fc2.com/

 

Satellite

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岡山駅西口から少し歩いた距離にある奉還町商店街は、飲食店や青果店、雑貨店などが並び、地元の人の活気が感じられるエリア。
そのにぎやかな商店街の中心に位置し、白塗りのモダンな外装に思わず足を止めてしまうのがアートショップSatellite。「現代アートを広く知って楽しんで貰いたい」という店主の思いから、店に入ると手前がショップ、その奥にギャラリーが設けられ、国際的に活躍する現代アート作家の個展が行われている。

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現代アート作家の作品やグッズ、作品集やオリジナルグッズが並ぶ。女の子をモチーフにした作品で人気のアーティスト、奈良美智さんとは、店主が一緒に仕事をしていたということもあり、彼の作品集やグッズなどは特に充実している。

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また、瀬戸内国際芸術祭とも関係が深い大竹伸朗さんのエディション作品や作品集、草間彌生さんのグッズなどを集めたコーナーも。なかなか手に入らないアイテムも多く、アートファンは見逃せないスポットだ。

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Satellite

住所 〒700-0026 岡山県岡山市北区奉還町2-8-17
TEL 086-250-2550
営業時間 午後2時〜午後7時
定休日 毎週火曜
駐車場 駐車場なし
Webサイト http://www.satelliteee.com/

 

nid sand

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一年を通じて暖かい岡山は、フルーツの名産地としても有名。おやつには「フルーツサンドイッチ」を片手に、川沿いや近所の公園を散策してみてはいかがだろうか。nid sandは、岡山のフルーツを使った「スイーツサンドイッチ」の専門店。店内には切り口がまるで芸術品のように美しいフルーツサンドが並んでいる。「美しいサンドイッチの切り口は、味と同じぐらい大切」と店主が語るように、味も見た目もこだわったサンドイッチは地元の人にも愛される一品だ。

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目移りしてしまうような美しい色合いのサンドイッチの中でも見逃せないのが「季節のフルーツサンド」。旬のフルーツを、あっさりとした軽い口当たりのホイップとともにサンドしたこちらは、甘いものが苦手でもさっぱりといただけるのが特徴。

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また、甘いもの好きには「きなこ」「おぐら」「ラムレーズン」など、フルーツ以外も充実のラインアップだ。サンドイッチは数量限定。売り切れてしまうこともあるので、お早めに。

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nid sand

住所 〒700-0904 岡山県岡山市北区柳町2-9−13
TEL 086-233-0802
営業時間 午前11時〜午後6時(売り切れ次第終了)
定休日 毎週火曜、毎月第一水曜
駐車場 駐車場なし
Webサイト https://www.facebook.com/nid-sand-205210869867469/

 

アートスペース油亀

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戦災を逃れた建物が数多く残っていることから、独特の雰囲気が感じられるエリアの出石町に位置する、長屋作りが印象的なアートスペース油亀。オーナーの柏戸さんに話を聞くと、「ここは空き家だった築140年以上の古民家を再生した場所」だという。北海道から沖縄まで、全国各地の陶芸家の作品、美術家のアートグッズなど一点ものも多く、ここのためだけに作られた作品も。

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店内では、陶芸家の作品を見たり、買ったりできるだけでなく、実際にこだわりの食器で食事や甘味などをいただくこともできる。
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季節ごとに企画展も開催されているが、毎年恒例の人気企画展「カレーのためのうつわ展」「珈琲のためのうつわ展」などの期間中には、店内でカレーや珈琲が実際に全国の作り手の食器を使って提供される。
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アートスペース油亀

住所 〒700-0812 岡山県岡山市北区出石町2-3-1
TEL 086-201-8884
営業時間 午前11時〜午後7時
定休日 不定休
駐車場 周辺駐車場あり
Webサイト http://www.aburakame.com/

 

ルネスホール

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日本銀行岡山支店として、1922年に建設された歴史的建造物のルネスホール。当時の面影を残す外観は、天気のいい夕暮れに訪れると、ギリシア風の建築に落ちる影のコントラストがひときわ美しい。また、建物の目の前には路面電車が往来しており、どこか旅の気分を盛り上げてくれるスポットとなっている。現在、ルネスホールは岡山の文化・芸術の拠点として音楽のコンサートなどで使われているそうだ。

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ルネスホールの内部は改装されているが、日本銀行だった時代に公文書庫だった場所をカフェとして利用した「公文庫カフェ」は喫茶スペースとして誰でも入れる空間となっている。

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金属製の分厚い扉が歴史を感じさせるユニークな喫茶店では、オリジナルブレンドコーヒーをはじめ、ケーキなどの軽食も食べられる。静かに憩える空間は、町歩きに疲れたときのひと休みにもおすすめだ。

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ルネスホール

住所 〒700-0824 岡山県岡山市北区内山下1-6-20
TEL 086-225-3003
営業時間 午前10時〜午後7時(公文庫カフェ 午前11時〜午後10時 ラストオーダー9時30分まで)
定休日 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は水曜日)
駐車場 駐車場なし
Webサイト http://www.renaiss.or.jp/